「ブザンソン(福島)」 何かと話題の多い福島に、新しくフレンチが誕生した。すでに伝説となっている神戸の『ジャン・ムーラン』で修行した後に、『ペルージュ』でスー・シェフを務めたシェフ。新町の『ブレ・ド・ブレ』でサービス担当だった。藤田朋子似のマダム。 で、早速予約の電話を入れてみる。メンソールが思うに、レストランでの食事というのは、予約の電話をかけた瞬間から始まるんだ。なので、電話応対がへたくそだったり、何回か電話をかける中で、担当者によって対応がまちまちだったりすると思わずキャンセルしたくなったり、行きたくなくなったりすることがある。その点に於いては、『ブザンソン』は秀逸だと思う。的確な応対、丁寧な言葉遣い、目的や苦手食材などのさりげないヒアリング。そして、何度電話をかけても全くブレがない。 メンソールが入ったのは18:30で、メンソール以外には一組しかいなかったんだけど、1時間くらいの間に満席になってしまった。予約は必須なんだろうな。 一皿目は、冷製コーンスープ。かなりあっさり目。時たま歯に当たる堅いものがあって、最初は、粒胡椒かと思ったんだけど、噛み砕いたときの刺激がないので、ずっと考えてた。食べ終わる頃になって、カリカリにしたベーコンだろうなと判った。 二皿目が、賀茂なすとエビのアメリケーヌソース。エビ料理にアメリケーヌソースは定番なんだけど、最初の冷製コーンスープと同じで、あっさりで軽やか。フレンチと言えば、バターたっぷり、クリームこってりがメンソールは好きなんだけど、軽やかなフレンチが好まれるようになって、それは避けられないのかなとも思ったりしたんだけど、決して軽い訳じゃなくて、あくまでも軽やかな感じ。ソースからは、ほんのりと八角(スターアニス)の香りがして、濃厚なアメリケーヌソースにさわやかさを加えているという感じかな。 三皿目が、ハモとホタテ。ホタテにはウニを乗せ、ハモにはフランス産のアスパラガスを乗せたもの。付け合わせは下に敷かれたリゾット。ハモが旨かったです。和食のハモって、梅肉か酢みそで食べないと食べられないようなものが多かったりするけど、ハモってやっぱりおいしい魚だと言うことが確認できる一品。骨は感じなかったので、骨切りとかしたんじゃなくて、骨抜きをしたのかもしれない。 メインがシャラン産カモの胸肉。ソースはやっぱり軽やか。八角のアクセントもお約束の様な感じ。もも肉よりも味の淡泊な胸肉なら、ソースも軽く仕上げることができると考えたのかな。あと、もも肉と胸肉は火の通り具外が異なるので、鴨肉料理でもも肉と胸肉が同時に出されると、どちらかの日の入れ具合に不満が残る場合があるんだけど、大胆に胸肉のみの料理にしたところはすごいかも。で、もも肉はどこに行ったんだという疑問が…。 メンソールは、デセールの前にチーズ盛り合わせをオーダーし、コーヒーのあとで、食後酒としてミラベルと、ヴァン・ド・ナチュレをオーダーした。ミラベルというのはプラムから作るブランデー。ヴァン・ド・ナチュレはシェリーやポートと同じく酒精強化ワインね。 食後のコーヒーカップは、やっぱりアメリカンスタイルで置かれた。メンソールは、コーヒーはほとんどブラックで飲むけど、エスプレッソは砂糖をたくさん入れるので、ヨーロッパスタイルで置いてもらった方がうれしいんだが…。 ワインのラインナップを見てると、意外と南フランスものが多いような気がする。お勧めしてもらったヴァン・ド・ナチュレもフランス南部のラングドック&ルーションで作られていたりする。 メンソールとしては、ケチの付け所がない店。突出してすばらしいポイントがなくても、あえて欠点を探すと見つからないという店の方がいい店だし…。予約の電話対応はほぼ完璧だと思う。だいたい、予約を入れたら、店から直前に確認の電話をくれるかどうかだけでもかなり評価が変わる。フロアがちょっとあわただしく感じたりするのは、店が細長い構成なので仕方ないかもしれない。メンソール的には、もう少しチーズの種類が豊富だった方がうれしかった。
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